中高年(45歳〜60歳)の薬剤師が転職を成功させる秘訣

中高年薬剤師が転職を考える時、かならずと言っていいほど、自分の年齢がコンプレックスになるでしょう。

「自分のような年代を雇ってくれるところがあるだろうか…」

といった不安は常にあるかと思います。一般的には、40代以降の転職は不利になるケースが多いですが、薬剤師に限っては転職に成功できることも多々あります。

薬局は現在、薬剤師の人手不足に悩まされているため、40代や定年間近の人でも積極的に雇う傾向が強くなってきています。

2013年から定年を65歳まで引き上げることが決まったこともあり、薬剤師であれば50歳以上でも十分に需要があるのです。

あなたが現在、50代で定年後も薬剤師として働きたいと考えているのであれば、今のうちに定年後も働ける職場に転職しておくと良いでしょう。

65歳以降になってからでは、転職の条件もかなり厳しくなってしまうからです。

このように中高年であっても、薬剤師であれば採用してくれるところは意外にも多いのです。ただ、職種によっては難しいこともあります。また、年齢が高いからこそ注意しなければならない点もあります。

そこで、この記事では40代〜60歳までの中高年における薬剤師転職のコツについて解説していきます。

中高年の薬剤師が転職することが難しい業種

企業への転職は難しい

まず、40代以上で一般企業に転職するのは不可能に近いです。これまでに何年も企業で実績を積んできたのであれば別ですが、普通の薬剤師として働いてきた人はあきらめるようにしましょう。

医薬品の知識を生かした一般企業といえば、

  • MR
  • 学術職DI
  • 開発職
  • 研究職
  • CRC(治験コーディネーター)
  • CRA(臨床開発モニター)

などが挙げられます。このような職業での経験が何年もあり、重要な役職を務めていたのであれば転職できる可能性は十分にあります。

しかし、企業に転職するデメリットとしては、ライバルが一気に増えることです。薬剤師免許なくてもできる職場なので、幅広い職業の人と狭いパイを奪い合わなければなりません。

もちろん、薬剤師免許があればプラスになりますが、それだけで採用に至るまでの効力はないのです。その分自身の経歴や実績、スキルなどが重要視されます。

そのため、特別な経験やスキルを持ち合わせていない人は一般企業ではなく、薬局やドラッグストアへの転職を考えるようにしましょう。

病院薬剤師になるのも難しい

病院薬剤師として転職するのも、40代以降の場合はかなり難しいです。

少なくとも急性期病院やケアミックス病院での転職はほぼ不可能になります。

病院薬剤師の求人は年齢制限を設けていることが多く、高くても30代後半までの人材しか募集していません。

その理由は、20代や30代の方が安く雇用できて、物覚えがいいからです。また、急な夜勤や当直を引き受けてくれる人が多いのです。

このような背景から、40代以降を募集している病院薬剤師の求人は少ないため、病院へ転職するのは難しいといえます。

もし、どうしても病院で働きたいと考えている場合は「慢性期病院」であれば受け入れてくれるかもしれません。

慢性期病院は、夜勤や当直も少ないので40代以降でも雇ってくれることがあります。

ただ、年収は20代と同じくらいか、少しだけ高くなる程度になるケースが多いのであまり期待できません。

40代での転職

ここから、年代ごとの転職活動の特徴について書いていきます。

自分の年齢に適した転職方法を参考にすることでスムーズに求人を探すことができるでしょう。

ハイキャリアでの転職を狙う

40代で豊富な薬剤師経験があれば、はじめから管理薬剤師という立場で転職することもできます。

こうしたハイキャリアでの転職に成功できれば、入社一年目から高い年収で働くことができます。

40代では、より即戦力が求められるので、いままで培ってきた経験が濃いほどハイキャリアでの転職がしやすいです。

ただ、ハイキャリアで転職できるのは、薬局やドラッグストアに限られます。先程も説明した通り、一般企業や病院に転職するには相当な実績がなければ不可能です。

一般的に病院では、何年も経験を積んで信頼を勝ち取り、昇進試験に合格した人が薬剤部長となります。

ものすごい実績があって、病院や企業側からヘッドハンティングされることはあっても、こちら側から会社に入ることは困難です。

中小薬局を狙う

40代以降での転職は薬局を狙うのが、効果的なのですが、大手調剤チェーンなどの規模が大きい薬局はおすすめできません。

大手調剤チェーンでは、中高年を募集しているケースも少なくなります。また全国展開しているような薬局であれば、転勤も多かったり、年収が低かったりで働きやすさも変わってきます。

そこで、比較的40代でも採用されやすく、働きやすい中小薬局やドラッグストアを目指すのです。

もちろん転勤が多く、年収が低くても大手調剤チェーンで働きたい理由があれば転職をするべきです。例えば、ハイキャリアでエリアマネジャーという立場で転職を希望している場合などです。

ただ、特にこだわりがない人は中小薬局に転職した方が満足のいく転職をすることができるでしょう。

40代で転職をする理由

では、なぜ40代の薬剤師は転職を決意するのでしょうか?

一番の目的としては、「経験を生かしてキャリアアップする」ことです。先程も経験や知識があれば、ハイキャリアで転職することもできると説明しました。

前職で自分の成績やステータスが正当に判断されていないと感じる場合、ハイキャリアでの転職を考えるのです。

例えば、明らかに自分の方が職場に貢献しているのに、年齢が上というだけで同僚が昇進したなどです。

このような、会社の評価に不満を抱くと、「もっと自分の知識やスキルが生かせる場所があるのではないか」と考えるわけです。

また、40代の薬剤師が転職する理由は逆もしかりです。薬剤師免許はとったものの調剤未経験であることが不安な人もいます。

そこで、今のうちに調剤経験を積んでおこうと40代未経験で薬局への転職を決意するのです。

この2つの転職理由から、経験があってもなくても薬剤師として転職することは可能なのです。

50代〜60歳での転職

では、50代〜60歳までの転職活動はどのような特徴があるのでしょうか?

基本的には、企業や病院で働くことは不可能なので、中小薬局を狙っていくことには変わりありません。

50代以降での調剤薬局への転職

50代では、40代に比べて急激に求人数が少なくなります。

ドラッグストアへの求人もかなりなくなってしまいますので、より調剤薬局に絞って転職先を探していく必要があります。

また、40代のようにハイキャリアでの転職も定年が近いため難しくなってきます。しかし、正社員でも人手不足の薬局であれば、快く受け入れてくれます。

具体的には、都会の薬局は応募も多く、採用されやすい20代や30代と競合してしまうため、あまりおすすめはできません。

そのため、田舎で人口が少ない薬局の求人を探してみるのです。このような薬局は応募してくる人が少ないため、人手不足になりがちです。

さらに、田舎であれば給料も高くなることが多く、初年度から年収700万円以上を提示してくれることもあります。

ただし、大手調剤チェーンでは、年収が全国で一律に決まっているケースがほとんとなので、田舎でも年収が低くなってしまいます。

このような点も、大手調剤チェーンがおススメできない一つの理由です。

50代〜60歳で転職をする理由

50代からの転職は、やはり定年後を見据えたものが多いです。

会社を退職したあとも、薬剤師としての経験やスキルを使って社会貢献したいと考え、50代〜60歳にかけて転職をするのです。

定年後を見据えて、転職するのは社会貢献という意味もありますが、単純に老後の貯蓄が少ないと理由もあります。

50代の内に長く働ける職場を見つけて、老後の安定を築こうとするのです。

中高年全般の転職理由

今まで、年代別の転職理由を挙げていきましたが、中高年であればどの年代にも当てはまる転職理由もあります。

年収アップ

病院薬剤師など給料の低い職場で働いて人は何とかして年収を上げようと転職を考え始めます。

特に40代は50代では、子どもの教育費や住宅ローンなどが家計を脅かします。

そこで、40代で経験のある人であればハイキャリアでの転職、50代なら田舎の調剤薬局に転職するなどして収入を増やそうとするのです。

子育てが落ち着いて復職する

出産を機に薬剤師を引退した人が数年後に仕事復帰するのは珍しくありません。

子育てがひと段落した後には、家族増えたこともあって生活費が急激に高くなります。

そうした時に自分も稼がねばと、薬剤師に復職するケースも多いのです。

この時、家庭との両立を考えるため、正社員だけではなくパートや派遣という形で働くこともあります。

中高年全般の転職活動で言えることは、「家族を養うために」といった理由がおおくなります。

自分一人であれば、好き勝手に仕事を選べますが、家族を食べさせるとなるとは話しが変わってきます。

そのため、結婚などのイベントと結びついて中高年で転職するケースがほとんどなのです。

なぜ、中高年は転職しづらいのか

今まで、40代以降は企業や病院で働くことは難しいと説明してきましたが、これにはいくつか理由があります。

PC操作やマシンにつまづく

特に未経験で入社する場合、機械の使い方がわからずに苦戦することになります。

例えば、粉薬を調剤する時に扱う「分包機」などは新人に任されることが多いです。ここで、20代や30代であれば、少し触っただけで覚えてしまいます。

しかし、中高年になると操作を覚えるまでにかなり時間がかかってしまいます。すると、仕事が効率よく進まなくなる恐れがあるのです。

また、PC操作が苦手な場合も同じです。薬歴管理などは確実にPCを使う必要があるため、慣れるまでは時間がかかってしまいます。

さらに、タイピングの正確さやスピードも若い人に比べると遅いことが多いです。

このように、仕事の効率を考えると中高年よりも20代や30代の方が優先的に採用されるのです。

年上に対して強く言えない

中高年での入社となると、先輩は高確率で年下になるケースが多いです。

ただ、未経験で転職する場合には、慣れない仕事につまづくことが何度もあるため、上司も指導をしていかなければなりません。

しかし、自分よりも十数年も年上の人に指示を出すことに抵抗がある人もいます。

そこで、本当はしっかりと指導しないといけない状況であっても、適切なフィードバックが得られないことがあります。

その結果、仕事を覚えるのが遅くなったり人間関係が悪くなったりするのです。

人件費が高い

40代以降の人材を採用するとなると、20代と同じような年収で雇うわけにはいきません。

やはり、年齢に合わせた人件費が必要になります。

しかし、先程説明したように中高年はPC操作やマシンに苦戦して仕事が遅くなるリスクがあります。

人件費が高い上に、仕事の効率が下がるとなれば積極的に採用したい企業はいないでしょう。

また、年齢が高い人にしかできない仕事が薬剤師には無く、どの年齢でも仕事内容は変わらないのです。

そのため、企業側にとっては20代や30代を雇った方がコスパが良いのです。

長期的なメリットが想像できない

特に60歳近くで、転職する場合は定年が定年が近いため、長期的なスパンで会社のメリットにはならないと判断されます。

中高年では、20〜30年の働けるわけではないので、将来性を考えると若い人の方が育て甲斐があるわけです。

やはり、せっかく採用するのであれば、長期間にわたって会社の利益を作ってくれる人を雇いたいはずです。

このような理由から、中高年での薬剤師転職は難しいと言われるのです。

中高年で調剤未経験の人が転職する方法

ここまで、中高年の人が転職するのは難しい理由について解説しましたが、特に未経験であるとさらに受け入れてくれる職場が少なくなります。

しかし、調剤未経験の中高年でも転職できる方法はあります。

求人を探せば、経験者歓迎ばかり見つかるかと思いますが、中には40代以上の未経験でもOKといったものあります。

求人数は限られますが、このような求人をピンポイントで狙っていけば転職することができます。

しかし、自分の力だけでは、探し出すだけでもかなり苦労します。そこで、転職エージェントを活用するのです。

転職サイトに登録し、コンサルタントに相談することで40代以上で未経験でも応募可能な求人をピックアップして提案してくれます。

転職する際に注意するべきこと

常に謙虚な姿勢を忘れない

前途のとおり、中高年で入社した場合は、上司が年下になることが多いです。

この時、けっして失礼な態度を取ってはいけません。年齢が上だからといって上から目線で物を言ってしまうと確実に人間関係が悪くなります。

年齢は仕事に関係ないと考えるようにしましょう。それよりも、どれだけ職場の利益に貢献しているかが大切です。

たとえ、自分の方が年上であっても謙虚な姿勢を貫くことで、周りからも好印象になります。

未経験の場合は、忙しい職場は避ける

中高年が未経験で転職する時は、都会の薬局よりも田舎の方が良いです。

都会の薬局には患者さんが多く来るため、周りが慌ただしく働いている中、右も左もわからず何もできなくなってしまいます。

また、新人の教育に当たる時間も少ないので、仕事を覚えるのが遅くなります。

そのため、未経験で薬剤師としては働く場合はゆっくりと働けそうな薬局を選ぶようにしましょう。

薬剤師は何歳まで働ける?

薬剤師は人手不足なこともあり、定年がない職場も多いです。

そのため、調剤薬局や調剤併設ドラッグストアであれば、体が健康な限り働くことができます。

ただ、都会は年齢に厳しいところがありますが、地方の薬局の店舗であれば、年齢不問としているところがほとんどです。

地方では薬剤師の数が足りないため、50代や60代でも、それなりに薬剤師経験があれば採用してくれる人も多いです。

 転職前に必ず職場見学をする

せっかく苦労して転職したにも関わらず、転職先の雰囲気が最悪で入社してすぐに辞めたくなってしまったといったケースも良くあります。

転職が難しいからこそ、なんとしても良い職場で働きたいところです。

そこで、転職前に必ず職場見学を行うようにしましょう。転職サイトのコンサルタントに申し出をすれば、見学させてくれます。

転職コンサルタントは無料で活用できるため、リスクなしで転職活動の質を高めることができます。

そのため、面接前に確実に職場見学は行うようにしてください。

中高年であっても転職できる

このように、中高年での転職は働ける職種は限られてしまうものの、問題なく転職することができます。

年齢的なリスクはありますが、転職した方がより良い人生を送ることができると考えているのなら遠慮はいりません。

転職コンサルタントを活用していけば、40代、50代、60代とあなたの状況に合わせて求人を探すことができます。

中高年の薬剤師であっても必要としている薬局は数多くあるので、年齢に惑わさらずに自信を持って転職活動をしていただければと思います。

薬剤師が転職する際に必ずといって使用するのが転職サイトです。というのも、100以上の中から自分の希望にあった求人を選べるためです。

 

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