入社1年目の新卒薬剤師は転職できるのか

新卒薬剤師として入社したのはいいものの、予想以上に仕事がきつかったり、性格の悪い上司に毎日いじめられているのであれば、入社して間もない状況でも転職を考える人は多いです。

特に新卒の場合は、薬剤師国家試験に受かるために勉強や学業を第一優先に考えている人が多いため、就職活動がおろそかになりがちです。その結果、適当に就職先を選んでしまい入社後に後悔するというケースは珍しくありません。

ただ、早期退職すると自分の薬剤師としてのキャリアに傷がついてしまうのではないか、もっと慣れれば仕事が楽しくなってくるのではないか、など悩みは尽きないことかと思います。

そこで入社から半年や一年で転職する際の注意点をここでまとめておきます。

入社半年や一年で退職を考える理由

会社に入ってすぐに退職を考える時、多くの人は自己嫌悪に陥りがちです。同僚や友達の薬剤師は何事もなく仕事をこなしているように見え、自分は根性ナシだと考えてしまうのです。

しかし、広い目で見れば、入社して一年たたずに辞めてしまう薬剤師は少なくありません。実際に、薬剤師が入社してすぐにやめてしまう理由はある程度決まっているのです。

人間関係

薬剤師が転職を考える理由としてダントツに多いのが、人間関係がうまくいかないことです。入ったばかりの頃はミスが目立ち、上司に怒られることも多いです。

そのため、なかなか上司といい関係を構築できないという状況に陥るわけです。大学で薬学を学んできたとはいえ、調剤未経験で実践的なスキルはゼロです。最初の一年間は使えなくて当たり前なのです。

このとき、右も左もわからない一年目の新人に上司がどのように接してくれるかが一番のポイントになります。

  • 部下に必要以上に辛い思いをさせて育てようとする上司
  • 部下のモチベーションを考えた上で、確実にスキルを高めようとする上司

どちらの下に就くかで、仕事に対する捉え方が180度変わってしまいます。特に前者の場合、精神的に部下を追い詰めたあげく、それで辞めるぐらいならウチにいても仕事は務まらないだろうと考えていることが多いです。

せっかく雇った社員にすぐに辞められると困るという企業は多いものの、こうした考え持っている上司は新人が辞めるリスクを考えずにひどい仕打ちが出てきてしまうのです。

  • 調剤ミスをすると笑われる
  • 「使えない」「邪魔だ」などと言われる
  • お前、薬剤師向いてないからと何回も言われる

ミスを的確に指摘して、しっかりと指導してくれる上司であればいいですが、人間性まで否定してくる上司がいる場合は問題です。このように入社した会社の人間関係が影響して辞めることが非常に多いのです。

思っていた環境と違っていた

この記事でも冒頭でも少し触れましたが、就活と薬剤師国家試験が重なるため資格取得をめざしている人にっては、勉強が最優先になります。

そのため、就活がおろそかになってしまい、よく就職先を調べもせずに決めてしまうことがあります。

時間がないので、多少自分の希望と違う求人でも、「これくらいなら耐えられるだろう」と妥協してしまい、思っていた環境と違っていたと後悔する人は多いのです。

この就活に当てる時間が限られているというのは、就職を失敗してしまう原因をいくつも生み出します。例えば、「求人票だけを見て判断する」などです。

求人票に書いてある労働条件がすべて嘘とは言いませんが、実際に働いてみて求人票はあまりあてにならないと実感するケースはよくあります。

昼休憩は1時間となっているはずなのに、実際は15~20分ほどで昼ご飯を食べながら仕事をしているという状況はよくあります。また、残業代が出ると聞いていたのに実際にはサービス残業が常態化しているなどです。

求人票には労働条件が書かれていたとしても、その通りに労働している企業が少ないのが現状です。現場の雰囲気や人間関係、規則などを実際に職場見学をしなければわからないことはいくつもあります。

Point

  • よく調べないとギャップを食らう
  • 求人票だけで判断する
  • 必ず職場見学をする

他にも研修があり、先輩たちのフォローも手厚いと聞いていても、全く指導せずに実践で覚えさせようとする会社があったり、週休2日のはずが休日出勤を強要させれたりと様々です。

こうしたギャップに不信感を抱き、もっとちゃんと探せば労働環境がいい会社があるのでは?と考え、入社半年や一年でも転職活動を開始するわけです。

年収が低い

薬学生によっては奨学金で学校に通っているケースも多くあり、働きは始めてから多額の借金を返済していかなくてはなりません。また、国試に落ちて浪人する場合、さらに学費がかかるため、借金が膨らんでしまいます。

しかし、借金を抱えていても優秀な薬剤師になりたいというモチベショーンの高い学生はスキルアップを求めて年収が低い就職先に入ってしまいがちです。

すると、予想以上に生活に苦しむことなります。人によっては借金が払えず、滞納してしまうということもあり転職を考えるようになるというわけです。

得に病院薬剤師で特に起こりやすいのですが、大きな病院では月給20万円程度から高くても24万円からのスタートです。ここから奨学金の月々の支払いを行っていると、やはり日々の生活が苦しくなることがあります。

このような場合、比較的年収が高い調剤薬局やドラッグストアなどで働くことを検討します。特に田舎や僻地にある薬局であれば、人手が足りないので年収が高くなります。

一番、薬剤師の給料がいいと言われている福岡であれば月給40万円の求人などもあります。もちろん福岡でなくても、アクセスが悪い田舎僻地なら高収入が期待できるでしょう。

激務

薬剤師の仕事の中でも、病院やドラッグストアは1年目から激務仕事に追われることになります。

例えば病院薬剤師の場合、院内が単純広いため病棟を移動するだけでも一苦労です。1日終わった段階でかなり体力を消耗していることに気づきます。

病院薬剤師は常に携帯を持ち歩いており、そこにひっきりなしに連絡がかかっています。患者さんに薬の説明をしてこいと指示を受けたかと思えば、今度は調剤をしに戻って来いと指示を受けます。

病棟から病棟を行き来して院内を駆けずり回って生活を送ることになるのです。また、1日中立ちっぱなしと言うことも薬剤師業務のよくあることです。

業務に追われ仕事時間内では終わらず、毎日残業しなければならないという病院も少なくありません。

業務が終わったあとも、休む間もなく、製薬会社が開くセミナー、講演会などに連れて行かれます。さらには部内の勉強会などにも参加する必要があり、まさに激務という仕事内容です。

また、処方箋に不備があった場合に医師に問い合わせる「疑義照会」に頭を悩ませる薬剤師も多いです。

人にもよりますが、医師からすれば自分の処方が否定されたような気分になり、なかなか取り合ってもらえないと言うケースもよくあります。

そのため病院薬剤師はかなり体力勝負の仕事と言えましょう。心身ともに疲労してしまうことが多いので、病院薬剤師をしながら規則正しい生活を送るのは難しいと言えます。

さらに、病院薬剤師は給料が安いので労働に見合ってないと転職を考える薬剤師が多いです。

一方で、ドラッグストアも薬剤師の仕事のなかで激務とされています。

ドラッグストアの仕事は商品の在庫管理や店舗マネジメント、接客、レジ業務など、薬剤師資格とは関係ない業務もかなりの仕事量です。

ドラッグストアによっては人手不足が深刻な店舗があります。人が足りていないともちろん、一人当たりの仕事量は上がっていきますのでさらに激務になります。

このように病院やドラッグストアに新卒で入社して、理想と現実のギャップに耐えられずに転職を考えるというケースは多いのです。

ノルマがきつい

ドラッグストアや製薬会社のMR(営業職)といった職業には、ノルマが課せられています。

MRでは営業職なので、もちろん営業ノルマがあります。病院やクリニックへ出向き、薬をとり扱ってもらえるように営業をかけていきます。

ドラッグストアでは化粧品や健康食品・サプリメント、PB品(その会社独自で扱うプライベート商品)まで取り扱うことになります。

これらの商品が売れなければ、ドラッグストアは潰れてしまいますので売られなければならない数が決められています。

こうした、ノルマを毎月のようにクリアして行かなければならないとなると、プレッシャーもあって精神的にきつくなってしまう人も多いです。

また、入社一年目の新人は自分には営業職は向いていないと確信して、転職を考えるようになるのです。

3年以上は同じ職場で働かないと転職で不利になるのか

転職に関してよく耳にすることとして、「3年以上は同じ職場で働かないと、印象が良くない」ということです。

そのため、入社半年や一年で転職を考えている人は踏みとどまってしまうこともあります。

しかし、結論から言うと20代であれば、早期退職しても問題ないです。ただ、それ以上に重要なのは自分に甘えていないかという点です。

いままでの労働環境にあきらかな問題がある場合には、採用側も納得してくれるはずです。さらに20代であれば将来性があるため受け入れてくれる職場は多いです。

ただ、今の現場でも自分なのに他の職場を求めてしまうというケースには注意が必要です。

例えば、年間120日(週休二日、祝日休み)があるにもかかわらず、もっと休める会社に転職したいと言う人がいます。このような理由で求職活動を行う場合、求人数がかなり少なくなってしまいます。

他にも職場に自分に合わない人がいた、などの理由だと「ウチにも相性が悪い人がいるかもしれないが、それでも続けられるのか」と突っ込まれる可能性が大です。

このように理想が高かったり、どこにでもあるような問題で転職しようと考えている場合、受け入れてくれる企業はかなり少なくなるでしょう。要は、隣の芝が青く見えてしまってるわけです。

ただ、自分への甘えが原因の場合は話が変わってきます。「勉強する機会がない」という理由で転職を考える人は多いですが、裏を返せば学ぶ意欲がないという意味にも聞こえてしまいます。

単純作業ばかりで、頭を使う機会が少なくなり、仕事に楽しさを感じられないので、もっと勉強できる職場に行きたいという新人薬剤師は多いです。

ただ、今の環境でも自分勉強できるはずなのに、自主的に勉強する機会に触れる行動を起こしていないことがあります。

この点を突っ込まれると学ぶ意欲がないだけだと思われて不採用になってしまうことがあります。

もちろん、現在の勤め先が薬剤師会に所属していなかったり、外部の勉強会に出席できないような職場環境であれば、転職はしやすくなります。

このような職場で一日中ピッキングマシーンのように働いている場合には積極的に転職するべきだと思います。ただし、自分の行動不足で勉強ができていないのなら、転職は難しいと考えてください。

入社して一年以内に辞める際に有効な転職方法

入社半年や1年で辞めてしまった人材を採用するとなると、どうしても心配になるのが自分の会社では長く働いてもらえるだろうかという点です。

新卒であれば、経験やスキル等はそこまで重視されません。自分の会社で一から育てあげるつもりで採用されます。なので、最も重要になるのは前職を短い期間でやめた理由が正当であることと、いかに次の職場では長く働けることをアピールすることができるかです。

この時、誰もが納得する退職理由があればいいですが、単純によく調べずに就職してしまったことが原因なら「真実を話すか、嘘をつくべきか」悩むことと思います。

例えば、病院薬剤師に憧れて職にについたはいいもののが、あまりの忙しさついていけなかったことが1番の理由だとします。

この場合、本当のことを言ってしまうとマイナスな印象を与えかねません。ここで重要なのは、現在の職場との違いを明確にしてアプローチしていくことです。

これは病院から薬局もしくはその逆に転職する時があるのであればやりやすいです。働く環境が違えば、仕事内容や年収などの違いを簡単に明確にできるからです。

例えば、奨学金の返済が間に合わず、病院よりも年収が高い調剤薬局に転職したいといった感じです。

このように正当な退職理由と志望動機を説明することができれば、新卒で早期退職してしまった場合には受け入れてくれる会社は簡単に見つけることができます。

しかし、自分の頭だけでは、やはり客観的な退職理由や志望動機は見つけることが難しいのです。そこで、一番確実なのは、薬剤師専門の転職サイトに登録し、経験豊富なコンサルタントと作戦を練ることです。

これまで何人もの転職活動を成功させてきたコンサルタントと手を組むことで、誰もが納得する今の自分自身の環境のなかで最も効果的なアプローチを考えることができます。

薬剤師が転職する際に必ずといって使用するのが転職サイトです。というのも、100以上の中から自分の希望にあった求人を選べるためです。

 

幸いなことに、登録~転職完了まですべて無料で使うことができます。登録にかかる時間は2、3分程度です。ただ、転職サイトにも向き不向きがありますので、自分に合ったものを探す必要があります。

 

以下の記事では、薬剤師専門の転職サイトをランキング形式で特徴を解説していますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

薬剤師専門の転職サイトの特徴とランキング

薬剤師の多くが転職時に活用する「転職サイト」ですが、実際にどれを使えばよいかピンとこない人も多いかと思います。サイトによって強みや弱…

シェアする